ルール概要

基本的には、障がいのある、なしに関わらず、子供から高齢者まで、一緒にプレーできる6人制のバレーボールです。

チームは障がいのある選手3~4名と障がいのない選手2~3名の合計6名で構成し、ボールが自コートに入ってからチーム全員がボールにタッチし、10回以内に相手コートにボールを返します。

15点先取するか、規定時間内に多く得点した方のチームの勝ちとなります。


  

大切にしたいこと

ふうせんバレーボールは、重度の障がい者も参加できるスポーツとして考案しました。勝敗も大切ですが、勝つために重度の障がい者を排除しないように配慮しましょう。ハンディレベル1の選手がいないチームは、できるだけHL1の選手を探してください。そのことで、重度の障がい者の社会参加が進みます。
このことは、ふうせんバレーボールの大切な目的の一つだからです。

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チーム全員がボールを打ってから相手に返す競技です。
重度の障がい者にはほとんどうごけなかったり、全介助の必要な選手もいます。しかし、彼らも、ボールを打ちたいし、打っているのです。
その気持ちを理解してパスを行ってください。当てるようなパスが、「ナットパス」という反則になっているのはそのためです。

 

それでは、細かなルールについて説明していきましょう。

 

ふうせんバレーボール〈ルールと進行〉     日本ふうせんバレーボール協会

 

 

基本的なルール

ふうせんバレーボールは、バドミントンコートを使用し、ネットで分けられたコートにそれぞれ  1チーム6人ずつ入り、ネット越しに両チームがボール(ふうせん)を打ち合うスポーツです。

一番の特徴は、障がいのある人と障がいのない人とがチームを組み、チーム全員がボールに    触れ10回以内で相手コートにボールを返すことです。

 

 

【コート・ネット・ボール】

① コートは、バドミントンコート(6.1m×13.4m)ネットの高さ(1.55m)を使用し、            ネットから2.5mのラインを引き、サービスライン(アタックライン)とします。

② ボールは直径40cmに膨らませ、ふうせんに鈴2個を入れ、結び口にテープを貼ったものを使用します。

③ 試合球は、ピンク色を基本とします。

【試合方法】

① 試合は1セットマッチで、チェンジコートはしません。

② 試合時間は、原則として15分間です。

③ 得点はラリーポイント制で、サーブ権の有無に関係なく加算され、15点先取で勝ちとします。

  ただし、時間との併用ルールですので、試合時間終了時点でも勝敗を決めます。

      

【チーム】

   チーム編成の人数は、大会主催者が決めます。  

② コート内に入る選手は、           

障がいのあるプレーヤー(ハンディプレーヤー=HP)3~4名

障がいのないプレーヤー(アドバンテージプレーヤー=AP)2~3名

で構成された6名です。(ハンディレベル=HLについては、後述)

③ ハンディレベル(HL)の基本の組み合わせは(1・2・3・4・4・4)ですが、

チームの事情によりHLの枠を広げています。

111444)(112444)(113444

122444)(123344)(133344

222244)(223344)(222344

等があります(組み合わせの持ち点は、18点以内とします)

HL1がいない場合は、HL4は2名とします。    

(試合中、持ち点が18点以内であれば、HLの低い選手がHLの高い選手に代わることは可) 

例1[12444→12444]  例2[144→144]等

         (17点 ⇒ 18点)         (16点 ⇒ 18点)

 

【進 行】

試合前、キャプテンは主審にオーダー表を提出します

② 主審の指示により、サービスラインに沿って並びます。

主審に近い方からゼッケン順に整列し、サーブ権を決めたあと挨拶をして試合開始を待ちます。

③ 本部から試合開始の指示後、主審の合図(呼笛シグナル)でサーブを行います。

(主審が笛を吹いた時からインプレー)

④ ボールが自コートに入ってから競技者6名全員がボールに触れ、規定打数10回以内で相手コートに返します。

⑤ 規定打数の間に、1人が2回までボールに触れることができます。(連続は不可)

⑥ 競技者のポジションは自由とし、交代は何度でも行えます。 

⑦ 試合終了後は、主審の指示により開始時同様に整列し、両チームのキャプテンが得点を確認したうえで勝敗をコールし、挨拶をします。

⑧ 試合の裁定は、コートの主審が権限を持ちます。

⑨ 作戦タイムは、キャプテンの申し出で1回(30秒以内)限りとることができます。

(ただし、試合の残り時間が5分以内は原則として、作戦タイム及びメンバーチェンジはでき

 ません。)

  ⑩ やむを得ない場合は、試合時間内で1分間のメディカルタイムをとることができます

 

【勝 敗】

① リーグ戦の順位の決め方

(1)勝ちの多いチーム(勝…3点、  引き分け…1点、 負…0点)

(2)得失点差が大きいチーム

(3)得点の多いチーム

(4)直接対決で勝利したチーム

以上すべて同点の場合、代表者により抽選またはトスをして順位を決めます

② 試合時間終了時点で同点の場合

・リーグ戦は引き分け

・トーナメント戦は、試合を止めずに1点差がつくまで続けます。

(ただし、制限時間内であれば、両方とも14対14でジュースとなり、2点差がつくまで     試合を続けますが、制限時間になれば1点差でも試合終了となります。)

      なお、制限時間になり同点の場合は試合を続けますが、3分間延長しても同点の場合は抽選とします。

決勝戦においては、5分間延長しても同点の場合は、双方とも優勝とします。

  ③ 試合を棄権した場合は、0対15の負けとなります。

    

試合の方法全国大会)】(2016年から採用)

   午前中は、前年度の成績により、前年度のA・Bクラスを一部、C・Dクラスを二部として、一部・二部のそれぞれのパートに分かれて予選のリーグ戦をします。(各パート4チーム)

初参加のチームは二部とします。

② リーグ戦では、各パートごとに1位から4位までを決めて、

一部リーグの1・2位はAクラス、3・4位はBクラス、二部リーグの1・2位はCクラス、3・4位はDクラスとして、午後の決勝トーナメントへ進みます。

③ 午後は、各クラスごとの決勝トーナメントをします。

④ 試合時間は15分ですが、各クラスの決勝戦及びCクラスの3位決定戦は20分で行いま

  す。

⑤ 決勝において、Bクラスの下位3チームとCクラスの上位3チームは、次年度一部と二部

   を入れ替えます。

【サービス(サーブ) 】   [④、⑤、⑥はHP(HL1・2)に対して配慮します]

① サーブは1本目を失敗しても、2本目を打つことができます。

(1本目失敗後の選手交代は、原則としてできません。)

  サーブ権は、得点が入る毎に相手チームへ移動します。(サーブ交互制・2015年より採用)

③ サーブはゼッケン順に行い、1番はHPです。(APが2人続けてサーブはできませ

   ん。)

④ サーブは、ボールを手より上にトスアップし行います。

⑤ サーブの空振りは1打とします。

⑥ サーブは、サーブ体制の後ボールが手から離れたのち中止しても、1打とします。

⑦ APはサービスラインの後方から、HPは任意の場所から行います。

ただし、HPで打ち込みのできるプレーヤーは、サービスラインの後方からサーブを行い

ます。

(車いす使用者は、任意の場所から認めます。) 

⑧ HP(HL3のスタンディングプレーヤーを除く)は、同チームの選手からトスのアシストとサーブ後に1打のアシストを受けることができます。また、ボールを投げ入れても構いませ

⑨ ネットインはアウトになりますが、ネットを越えて相手コート側のネットにボールが触れた 場合はセーフとします。(ただし、ネット上方の白い部分に触れた場合はアウト)

⑩ サービスオーダーミス  

(1)サーブの前であれば、正規のサーバーに交代します。

(2)サーブ後であれば、抜かされたサーバーが次にサーブを行います。その次からは、正規のサーブ順に戻ります。 (例 3→4→6・・・3→4→6→5→1→2)

ただし、サービスオーダーミスの反則はとりません。

 

【反 則】

[④、⑤については、HP(HL1・2)のやむを得ないプレーに対し配慮します]

① ダブルフォルト     サーブを2本とも失敗した場合

② ナットオール      全員がボールに触れる前に相手コートに返球した場合

③ オーバータイムス    (1)10回以内に相手コートに返球できなかった場合

               (2)同一プレーヤーが3回ボールに触れた場合

④ ドリブル         同一プレーヤーが連続2回ボールに触れた場合

              ただし、サーブやアタックの第1レシーブのドリブルはとりま

                           せん。

⑤ ホールディング     ボールを持ったり、運ぶようなパスをした場合

⑥ ジャンプアタック    ジャンプしてサーブやアタックをした場合

⑦ オーバーライン     アタック(サービス)ラインを踏んだり、越えてアタックやサーブをした場合

                           上肢に障がいの少ないスタンディングプレイヤーも対象になります。                                                 

⑧ フットボール      APの膝から下にボールが触れた場合      

⑨ ナットパス              HPへ故意に当てるようなパスをした場合、及びサーブのアシストとしてHPの頭上から落とすパスの場合

⑩ タッチネット      ネット(ネット部分の支柱含む)に身体の一部及び補助具が触れた場合

⑪ オーバーネット     身体の一部がネットを越えてボールに触れた場合  

⑫ ファウルタッチ     補助具で故意にボールに触れた場合  

⑬ インターフェアー    相手選手のプレーを妨害又は、威嚇・示威・人身攻撃した場合

(審判に対しての暴言なども含む)

 

⑭ テクニカルファール   (1)主審の許可を受けないで監督やコーチ・交代選手がコート内に  入った場合

(2)不当なタイムアウトを要求した場合

(第1と第2サーブの間、2回目のタイムアウトなど)

(3)明らかに遅延行為と思われる場合

             ⑬、⑭・・・1回目注意、2回目以降反則

(反則の回数は、チーム全体としてカウントされ、2回目以降は相手に得点が入りま

  す。)

         ※補助具(車いす、杖等)にボールが当たっても1打とはなりません。

 

【その他】

 《アウトオブバウンズ》

① ライン上のボールのイン・アウトの判定は、真上から見て、ボールの一部がラインにかかって

いればイン、完全に離れた場合のみアウトとします。

    ② コート外の床、人、物にボールが触れた場合

   ③ 隣接コートやネットの延長線上に、ボール及びプレーヤーが触れた場合

  ④ ネットより下のポールにボールが当たるとアウトになります。ただし、ネットとポールに同時にボールが触れた場合は、アウトとはなりません。

《マーカー外アウト》  

ボールを相手コートに返す場合、ポールの延長線上の内側(マーカー内)を通過しなければ     なりません。

イン・アウトの判定は、ボールの一部がポールの延長線上にかかっていればイン、かかっていなければアウトとなります。

 

 

《アタックの判定》

ボールを打った位置からボールが下に向かって進んだ場合、HPかAPかに関わらず、すべてアタックと判定します。

また、ボールに回転を与えて、一度上がって落ちるようなドライブのかかった打ち方もアタックと判定します。

ただし、明らかにチョコンと当てるような弱い打ち方は、フェイントと判定し、ボールが下方向に向かっても、アタックとは判定しません。

アタックは、2.5mライン後方から打たなければなりません。

ただし、HPの場合のみ、ドライブアタックは、打点がネットより下の場合に限り、アタックラインの前から打ってもよしとします。

   

 

《ノーカウント》 ボールが割れた場合

(ただし、ボールが床あるいはコート外の人・物に当たって割れた場合は、通常の判定を行う)

① ボールが空中で割れた場合や、判定不能の場合

  ② その他やむを得ない理由で競技が中断した場合

   ノーカウント後のサーブ

(1)1本目のサーブでノーカウントになった場合のサーブは2本

(2)2本目のサーブでノーカウントになった場合のサーブは1本

 

 《Bアタック(ブラインドアタック) 》

全員がボールに触れた後、視覚障がいのHL1のプレーヤーがボールを捕球した時点で一時中断し、アタックラインの後方に移動しアタックをすることができます。

主審は、捕球した時点で「Bアタック」とコールします。

   

《2人のプレーヤーによるプレー》

味方の2人が同時にボールに触れた場合、それぞれが一打ずつ触れたとみなし、合計2打と   カウントします。その後、どちらかのプレーヤーがボールに触れてもドリブルとはなりません。

 2015.3.8.改訂

                                                                       日本ふうせんバレーボール協会

 

ハンディレベル(HL)の判定基準

 

★ 基本的には、障がいがあるためにボールを追ったり、触れる動作に全面的介助が必要な人をレベル1、部分的介助が必要な人をレベル2、単独プレーが可能な人をレベル3、障害のない人をレベル4とします。

★ ハンディレベル(HL)1~3の人を 『ハンディプレーヤー(HP) 』、

   レベル4の人を 『アドバンテージプレーヤー(AP) 』 とし、チーム構成やルール適応の基準とします。

  試合中にいて、選手のハンディレベル(HL)がわかるように、名札を色分けします。

  HL1・・・赤   HL2・・・   HL3・・・青   HL4・・・なし

       

 

1.四肢機能による判定基準

   ① 自力でボールを追うことが困難で、かつ、当てるような触れ方(ボールコントロール不能)しかできない程度の人を『レベル1』とします。

  ② ボールを追うことと触れることに部分的介助が必要な人を『レベル2』とします。

    考え方としては、全介助のレベル1でもなく、ほぼ単独プレーが可能なレベル3ほどでもない人は、すべて『レベル2』とします。

③ ある程度自力移動が可能で、自ら触れることも可能な人を『レベル3』とします。

 

2.視覚による判定基準

   ○ボールを確認できる距離によってレベルを分けます。          

ボールを確認できる距離

レベル

m以内の人

m以内の人

mを超える人

 

3.判断能力の障がいによる判定基準

   ○介助の必要な度合いによって判定します。                                 

状        態

レベル

メンバーの指示が通らず、ルールなども理解できない人

メンバーの指示やアシストがあればプレーできる人

自分でプレーできるが判断能力が遅れている人


4.聴覚による判定基準

○聴覚に障がいのある方は『レベル3』とします。